小梅物語タイトル画像


子猫たちも順調に成長し、狭い木箱の中を所狭しと元気に動き回るようになると、この狭い空間ではあきたらず、当然のように子猫たちの好奇心は木箱の外へと向いて行く。
木箱の縁に手をかけ、小さな身体を一杯に伸ばすと眺めることができる初めての外の世界。
もう、こうなったら外の世界が気になって気になってしょうがない。
どの子猫も好奇心一杯に木箱の外を眺めるようになった。

夫婦がいったいどうやって壁を乗り越えるのだろうと、やきもきしながら観察を続けていると、そのうち、木箱の縁に手をかけた状態で、壁を乗り越え外へ出ようと足をじたばたする姿が見られるようになり、この様子だと木箱からの脱出は時間の問題であった。
子猫が必死になって壁を乗り越えようとする姿を見ていると、

「がんばれ、がんばれ、もうちょっと!」
と応援せずにはいられない。

そしてついに、じたばたと懸命に壁を乗り越えようとしていた一匹が脱出に成功!

「でたぁ〜!」

すると、我も我もとみんな脱出を試みだし、転げるように脱出したりと、
程なく四匹全員が、これから何が待ち受けるのか、興味津々の未知の世界へと踏み出していったのだ。
といっても、わずかばかりのベランダのスペース内の話ではあるのだが…。

成長したといっても、まだまだその動きはぎこちなく、それはまさにテレビや雑誌で目にする子猫。
この木箱からの脱出によって、夫婦はチョロチョロとかわいく動き回る子猫たちを目の前で見る事が出来るという、何とも幸せな空間を我が家のベランダで手に入れてしまったのである。
(そしてそれは、ますますこの猫たちに夢中になって行くということでもある)

つづく