小梅物語タイトル画像


母猫が与えるおっぱい以外に、食事を外から持ってきているのは見た事は無いのだが、木箱からも出たし、このくらい成長してくると、通常の餌も食べるのではないだろうか。それまでは餌を与える事はやめていた夫婦だが、こうなるとなついてもらいたいと思うのが心情である。

母猫がいると警戒されるので、不在を見計らって、夫婦は結局、かりかり餌とミルクをあげてしまった。
人間の飲む牛乳はお腹をこわすので、あまり良くないそうだが、残念ながら、猫を飼った事が無いこの夫婦にとって子猫にはミルクであった。

とりあえず、かりかり餌を水でふやかして与えてみると、食べる食べる。ミルクも飲む飲む。
いきなりなつく訳はないが、与えた餌を喜んで食べてくれるのはうれしいものである。
子猫たちの成長に関わっているという、身勝手な満足とでもいうか。

戻ってきた母猫はというと、迷う事無く餌を食べ始めた。
野良猫が生きていくためには当然なのだろうけど、逞しい。

野良猫といっても街中の猫なので、人間には慣れているのか、母猫は、ある一定の距離を保ってさえいれば、怒ったり逃げたりはしないようで、夫婦がベランダに手を出しても、近くで観察していても問題は無いようだ。
といって、おそらく信頼関係がある訳ではなく、それは微妙な関係であり、必要以上に近づくと、「シャーッ」である。

さてさて、いよいよベランダが遊びも食事も出来る本格的な住処となってしまった。
成長著しい子猫たちは、これからどうなっていくのか。
この状態は、ペット禁止の賃貸マンションで猫を飼っているという状態ではないのかという心配を抱えつつも、楽しみの方が勝ってしまう夫婦なのであった。

つづく