小梅物語タイトル画像


ついに部屋の中へ入ってきた子猫たちであるが、さすがにいきなり部屋中を走り回るということはない。
初めて見る「人間」の使用するものを興味深そうに、慎重深く眺めながら部屋の探検を始めたのである。

そして、まず最初の居場所、遊び場となったのは窓際の白い簡易ソファであった。

ベランダを背にして置いてあるこの白いソファにはすぐに慣れたようで、じゃれ合ってソファの上に登ったり滑り台のように滑り落ちたり、ソファの上からはカーテンに飛びついたりと、部屋の中で初めて見つけたお気に入りの場所を満喫しているようである。

言うまでもないが、夫婦の喜びようは大変なものである。
我が家の部屋の中で子猫たちが無邪気に遊んでいるのだから。

ちなみに、外から入ってきて、そのまま白いソファで遊んでいるのだから、当然ソファは汚れてしまい、飛びつかれたカーテンはぼろぼろになってしまうはずだが、夫婦はまったく意に介してはいないのである。
はっきり言ってそれどころではないのである。何がって、それはもちろん、かわいくてかわいくて…。

子猫たちが部屋に入ってくるようになると、当然心配であろう小町は警戒しながらも部屋の中を覗き込み、様子を見るような感じで、ベランダから部屋の中へと足を踏み入れてきた。そして窓際で子猫たちを見守っているのである。

さすがに小町は貫禄があり、ちょっと近付き難い雰囲気を持っている。
ここは夫婦の部屋の中なのだが…。

それにしても、当初はベランダでいつまでいてくれるのだろうと思っていたこの猫一家が、ついには部屋の中で遊んでいるのである。
何とも予想もしなかった状況で不思議な感じではあるが、まずはこの時を存分に楽しみたいと思う夫婦であった。
というか、今後どうなるのかはあまり考えないようにしていると言った方が当たっているだろうか。
何と言ってもここはペット禁止なのだから。

つづく