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見出しタイトル 落下防止

猫一家とのこれからについて、漠然としながらも気をもむようになってきた夫婦をよそに、子猫達は今日も元気一杯である。

相変わらずベランダと部屋の中を自由に出入りしているのだが、最近は動きも素早くなり、特にベランダでは所狭しと走り回るようになってきた。
鉢植えなんかも蹴散らされている状態である。

中でも夫婦が気になったのは、ベランダの柵の下の隙間にそって子猫達が動き回る事である。
マンションの1階とはいえ、地上からベランダまでの高さは人の背丈程あり、誤って落ちたりでもしたらと考えると心配でならない。

そこで、とりあえずは落下防止に柵の下の隙間を段ボールで塞ぎ壁を作ってみた。

これが、落下防止に加えてL字になった段ボールに上で寝転んだり遊んだり、くつろいだりするスペースにもなって、なかなか役に立っている。
時には小町がそこでくつろいでいる事もあるくらいであった。


しかし、何とか落下防止に役立っているのかなと安心したのもつかの間、何と今度はベランダの柵の上に登っている茶タロウを発見。

「ゲッ! 柵の上に登ってる!」

どうやら、柵にぶら下がっているプランター等を上手につたわりながら、器用に上に登る事ができるようなのである。

予想を上回る子猫たちの行動に、ここまで成長していたのだと感心さえしてしまう。
それに、柵の上を器用に歩く子猫達を見るのもなかなかかわいいものである。

と、そんな悠長な事を行っている場合ではない。これは困った事になった。

まずは、落下の危険が増してしまった事。さすがにここまで自由に上り下りされるとなると、防ぎようがない。
そして、さすがに柵の上を歩かれると、その様子が外から丸見えである。

猫が一匹、柵の上を歩いているのはよくある光景ではあるが、子猫が数匹柵の上を歩いているとなると、さすがに人目を引くだろう。
更なる心配事が増えてしまった…。

そんなある日の事である。奥さんが買い物から帰ってきて、いつものようにベランダの様子をみにいくと。

「あれ?、ハナクソが見当たらないなぁ」

狭いベランダである。そんなに必死に探さなくても全体は見渡すことができる。
いつも活発なハナクソだから、どこかに隠れているのかとよく見てみたのだがどこにも見当たらない。

すると、どこからかかすかな鳴き声が、「ミィ、ミィ」と奥さんの耳に届いてきたのである。
さて、ハナクソはいったいどこに…。

つづく