小梅物語タイトル画像
見出しタイトル 心配

さて、ついにベランダを脱出してしまった子猫達は一層思うがままに行動している。
旦那が仕事から帰ってくると、駐車場で戯れている子猫達を頻繁に目にするようにもなった。

それはそれでかわいい光景ではあるが、寂しい気持ちと不安な気持ちが入り交じるのも正直なところである。

しばらくは、駐車中の車を使った同じルートで、ベランダと駐車場を行ったり来たりする状態がつづいていた。
実際、駐車場からその先は、子猫達がどこまで行動しているのかは、知る由もないが、時には小町に連れられるように後をついて行く事もあった。

次なる縄張りを探しているのか、餌がもらえる場所を教えているのか。

ベランダには、これまでと同じように餌を置いていたのだが、小町がしていたのと同じく、どこからともなく戻って来て、餌を食べて、一時ベランダにいたと思うとまた出て行くというような状態である。

脱出後しばらくは、ベランダに戻ってきてから、これまでのように夜を木箱で過ごしていたのだが、そのうち小町はもとより、夜になっても戻ってこない子猫がいることにも気づいた。

しかし、時期は梅雨。
雨をしのげる場所をちゃんと見つける事が出来ているのだろうか。

確かにここのベランダはひさしがあるものの、激しい雨が降ると降り込んでくるので、万全とは言えないかもしれない。
しかし何もないよりはましなはずである。

本当に住処は見つけたのだろうか、餌にはありつけているのだろうか。

心配は尽きない夫婦のはずなのに、心の中ではちょっとホッとしている自分たちにも気づいていたのである。

この頃には、ペット禁止のこのマンションで、ご近所さんにいい加減気づかれているようにも感じていたし、何より鳴き声がはっきりしてきていたので、猫がベランダにいる事を隠しているのもそろそろ限界だったのは間違いないのである。

しかし、これで良かったのだろうか。

つづく