しっぽがベランダでひとりぼっちで必死に鳴いていた、雨の夜。
その様子を見ていられずに、しっぽを部屋に向かい入れ、しっぽと一緒に幸せな時間を過ごした、運命の夜から一夜明けた。
朝早く、旦那より早く目が覚めた奥さんが、しっぽはいったいどうしているだろうかと、昨夜とりあえずこしらえた寝床の様子を見てみると、既にそこは空っぽであった。
昨夜のことは夢ではなかったことを確認するように、部屋の中をぐるりと見渡す。
まだまだ身体が小さいので、どこかに入り込んでしまったかな?とも思ったのだが、探すまでもなく、視線がベランダの窓際の方へ移ると、そこにしっぽがいた。
「もう、起きてたんだ〜」
と、しっぽを確認した奥さんが、ホッとした様子で話しかけたのだが、何となしに、しっぽは落ち着きなく、ウロウロしているように見えた。
いったいどうしたのだろうと思っていたのだが、すぐに思い当たった。
きっとこれはトイレである。
奥さんは(もちろん旦那も)、猫がトイレに行きたいかどうかは見ただけでは分からないのだが、この時は何となしにそう思ったのである。
これまでは、ベランダで生活していて、トイレに行きたくなったら勝手に行っていた訳だが、考えてみれば昨夜部屋に入れてからは、一度も部屋を出ていないので、つまりは、昨夜からまだ一度もトイレには行ってないということである。
(粗相をしていなければ、であるが)
もちろん、家の中に急に泊まることになった際に、寝床さえなかったくらいであるから、トイレなんか準備しているはずもなかった。
というか、考えてもいなかったので、猫用トイレがあるはずもない…。
とりあえず奥さんがベランダの窓を開けてあげると、随分と我慢していたのであろうか、しっぽはそこからベランダへそそくさと出て行き、土だけの植木鉢に一目散に向かっていった。
どうやらその植木鉢が猫一家がいた時から、子猫達のトイレとなっていた植木鉢のようであり、既に専用トイレとなっている訳だ。
なるほど、猫は決まった場所でないとトイレをしないというのはこの時初めて知った奥さんであった。
それにしても、トイレはどうしたものだろうか。
※本文と動画は直接関連ありませんが、しっぽの“おはよう”動画をどうぞ。
| つづく |

