さて、しっぽを夜も部屋に入れるようになり、なんら飼い猫と変わらない状況になってきているのであるが、実際、やっと夫婦もこの状態は猫を飼っているということではないのか、と意識し始めていたかもしれない。やっとであるが…。
問題は、しっぽがベランダから旅立てるかどうか、いや、旅立つかどうかであった。
しかし、この期に及んで、まだ夫婦はしっぽを完全に飼うと決めていた訳ではない。
夫婦がしっぽを飼うと決めてしまえば話は早いのである。
そうすれば、この物語も終わってしまうのである(笑)
“猫を飼う”ということについてをようやく、僅かながらも意識し始めた(ような感じの)夫婦であったが、このペット禁止の賃貸マンションでどうすれば良いのか…。
実際には現実感がまだない話と思えていたのかもしれない。
それにそもそも、しっぽにとっては、どうなるのが一番良いのか。どうなるのが一番幸せなのか。
このことについても、随分と考えるのだが、それも良く分からなかった。
まだ、ちょっと様子を見た方が良いのではと、都合のいいように考えている節もあったかもしれない。
ひょっとして、これからでも勇気を持ってベランダから旅立つことに成功するかもしれないではないか。
そうすると、先に巣立って行った、とらちゃん、茶タロウ、ハナクソとまた会えるかもしれない。そして一緒に遊べるかもしれない。
それに、すっかり姿を見せなくなった小町のことも気になっていた。
ひょっとして、小町が迎えにくるかもしれないではないか。
そもそも、母猫が人間のテリトリーに取り残されている子猫をそのままにしておくのだろうか。
いやいや、反対に人間のテリトリーに取り残されている子猫を迎えにくるのであろうか。
そんなことがいつも頭に引っかかっていたのである。
しっぽと夫婦との距離はどんどん、どんどん近づいている。
もちろん、知らず知らずのうちに、夫婦の情も移ってきているのは間違いない。
いや、完全に移っているであろう。
果たしてしっぽは、自分で巣立つのか、小町が迎えにくるのか、それとも…。
※本文と写真は特に関連はありません。
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| つづく |



