小梅物語タイトル画像
見出しタイトル 何と現れたのは

あの運命の雨の夜から数日、しっぽと夫婦の平和で幸せな日々が続いていたが、その中途半端な状態は単に問題の先送りであるとも言える。

もう、この状態は誰が見ても、猫を飼っているという状態である。
しかし、ここの賃貸マンションはペット禁止なのである。

さ〜、どうするんだ、夫婦!

一方、しっぽは相変わらず、ベランダに出ても、そこから先の駐車場へとは降りることができず、旅立つことはできないようである。

もはや、ベランダからの脱出を諦めてしまっているのか。
そもそも、しっぽはベランダから脱出する気があるのかどうか…。

いや、少なくとも、子猫の好奇心を考えると、もし脱出できるのであれば、とっくにそうしているのではないだろうか。
ということは、やはり脱出できないのである。

今思うと、ここまできての、このしっぽのどんくささというか、猫らしくない運動神経の悪さ、そして度胸の無さはかなりのものだったのかもしれない。

そして、結局はベランダでウロウロした後、部屋の中でほとんどの時間を過ごすようになってきていたのである。
こうなってくると、しっぽ自身も、野良猫としての野生の感覚が元々鈍いのに、更に鈍ってくるのではないだろうか。

そんなある日、その事件は起こったのである。

その日は旦那も家にいたので休日だったであろうか、いつものように、夫婦がしっぽと部屋の中で遊んでいる時であった。

ベランダの窓の外に、スッと人影ならぬ猫影が目に入ったのである。

そちらにいち早く視線を移した奥さんが、驚いて声を上げた。

「あっ、小町!」

そうなのである、何と小町が、いったいいつ以来であろうか、ベランダに姿を現したのである。

小町が来たのはいったい何のためか。
この後、いったい何が起こるのであろうか。

※本文と写真は特に関連はありません。
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つづく