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見出しタイトル 第2の運命の日の始まり

いったい何日ぶりであろうか、なんの前触れも無く、なんと小町がベランダにふらっと姿を現したのである。

奥さんと旦那は、突然の小町の出現に目を見合わせた。

小町がひょっとしたら、しっぽを迎えにやって来るかもしれないということを、夫婦は想像していなかったわけではない。
そして、連れて行ってしまうかもしれない、ということも考えていたことは確かである。

しかし、実際に小町が現れたこの場において、この瞬間においては、そんなことが頭をよぎったとしても、考えを整理できるはずもない。
ただただ、思うことは、

これからいったい何が起こるのか。いや、何も起こらないのか…。

久しぶりに姿を見せた、相変わらず凛々しくも貫禄のある動きと表情の小町に対し、相変わらず夫婦の方が気後れ気味である。

猫の小梅さ〜んphoto10_7_1すると、小町が以前のように、やや警戒しながらも、悠然とベランダから部屋の中へと入ってきたのである。
久しぶりとは言え、この部屋に入ってくることに関しては、抵抗はないようであった。

一方、しっぽはというと、遊んでいる最中に小町に気がついたようで、ちょこんと佇んでいる姿は、なんとなく嬉しそうに、それに恥ずかしそうにも見えていた。

しかし、本当に小町はしっぽを迎えにきたのだろうか。
もちろん、実際の事は分からないまま、部屋の中に入ってきた小町を見て、奥さんがしっぽに向かって話しかけた。

「しっぽ、お母さんだよ」

何だかしっぽも小町もすぐに近づくのではなく、徐々に距離が近づいている感じで、何か変な緊張感が辺りを包んでいた。
しっぽが喜び勇んで小町に甘えに行くでもなく、小町がしっぽに寄り添って来るでもなく…。

すると、小町がしっぽの方に近づいて行き、いや、その時はしっぽが意を決して母猫小町に甘えようと近づいて行ったようにも見えた。

そして、しっぽが小町のすぐ側まできて、母親に久しぶりに触れることができるというところまで、距離が近づいたその時、事件は起きたのである。

「シャーーーー!」

何と、いきなり、小町がしっぽに向かって鬼の形相で威嚇の声を発したのである。

※写真はイメージです。
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つづく