完全に取り残されてしまった、しっぽ。
こんなことが、こんなかわいそうなことがあっていいのだろうか。
あまりにも惨い、母猫の子猫に対する仕打ちを目の当たりにしてしまい、ショックを受けた夫婦は会話をすることもなく、寂しそうにしているしっぽをじっと見つめていた。
その姿は、かけてあげる言葉もない程、ぽつんと寂しそうであった。
あまりにも、思いもかけないことが起こってしまった。
しっぽは4匹の兄弟の中で、一番成長が遅く、身体も小さく甘えん坊で、まだ親離れもできていなかったのではないだろうかと思うくらいであった。
それに、端から見ていると、小町もそんなしっぽを一番かわいがっていて、手をかけていたようにも見えていたのだが、それは穿った見方で、気のせいだったのであろうか。
しかし、現実に目を向け、実際に目の前で起こった事に正面から向き合わねばならない。
すると、どうであろうか。
どうやら答えは出たのである。
これまで結論を先延ばしにしていて、時には考えないようにまでしていた、重大な懸案事項について。
そう、先送りにしていた問題についての答えが、この瞬間に出たのである。
しっぽは、ベランダからは尚も脱出できない。この様子だと、当分は無理であろう。
そして、今回の一件で、毋猫・小町が迎えにくる可能性も無くなったといっていいであろう。
そう、しっぽには、もうどこにも行き場は無くなってしまったのである。
この部屋とベランダ以外には。
そして何より、夫婦がこの取り残されてかわいそうな、そして、もはや可愛くて可愛くて仕方のない、既に愛おしくて愛おしくて仕方がなくなっているしっぽを放っておくことは、到底できるはずもない。
もう考える余地はないのである。
答えは出ている。
※本文と写真は直接関連はありません。しっぽのことを舐めてお手入れしてあげている小町。ついこの前までは、こんなにかわいがっていたのに…
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| つづく |





